生誕120周年記念・瀬戸市美術館特別展「北川民次展」
北川民次先生は、明治27年(1894)に静岡県に生まれ、大正3年(1914)に早稲田大学予科を中退してアメリカに渡り、アート・ステューデンツ・リーグで絵画の基礎を学ばれました。大正10年(1921)には、メキシコに移り、トラルパムやタスコの野外美術学校で児童美術教育に打ち込むとともに、絵画の制作に励んでいかれます。そして、昭和11年(1936)に帰国し、翌年の二科展にメキシコの人物や風俗を題材とした作品を出展し、会員に推挙されます。戦時中には妻の実家がある瀬戸に移り住み、以後瀬戸を題材とした作品を数多く発表されていきます。昭和53年(1978)には二科会の会長に就任するなど、日本の画壇を牽引されていき、平成元年(1989)に95歳で亡くなるまで、精力的に制作されています。
先生の作品は、日本の風土とメキシコ美術・文化を融合させた象徴的な画風を確立されており、当時ヨーロッパ絵画の影響が強かった日本洋画界の中で、強い構成と、独自のマチエールが異彩を放っております。また、社会性や人間性などが積極的に作品に取り込まれており、それも北川芸術を象徴するものです。
今回の展覧会では、生誕120周年という節目の年にあたり、瀬戸市美術館及び瀬戸信用金庫が所蔵する北川民次先生の作品約110点を展示し、瀬戸で収集された北川作品を紹介します。没後四半世紀以上を経過した今、北川先生が瀬戸で果たした役割の再評価や、北川芸術の素晴らしさを再認識していただく機会となればと考えています。これら北川芸術を通観していただき、瀬戸を愛しながら、民衆とともに生き、民衆の中で描いた北川芸術を一層ご理解いただければと思います。
※初日は午前11時開館
中学生以下、妊婦、65歳以上、障害者手帳をお持ちの方は無料
瀬戸市美術館、公益財団法人瀬戸市文化振興財団
【協力】
瀬戸信用金庫
【助成】
公益財団法人せとしん地域振興協力基金
7月14日(火)、8月11日(火)、9月8日(火)
○北川民次アトリエ特別公開
春と秋の2回しか公開していないアトリエを本展覧会開催に合わせて特別公開します。
日時:平成27年7月11日(土) 午前10時~午後3時
平成27年7月12日(日) 午前10時~午後3時
場所:北川民次アトリエ(瀬戸市安戸町23)
※事前申し込み不要、入場無料
○ギャラリートーク
日時:平成27年7月18日(土) 午後1時30分~
(北川民次にガラス絵を教わるなど民次と交流のあった
堀尾 一郎氏(公益社団法人二科会評議員)による
作品解説)
平成27年8月23日(日) 午後1時30分~
(学芸員による作品解説)
場所:美術館展示室
※事前申し込み不要、要入館料
○講演会「北川民次-その人と芸術-」
講師:堀尾 一郎氏(公益社団法人二科会評議員)
日時:平成27年9月20日(日) 午後1時30分~
場所:瀬戸市文化センター文化交流館22会議室
※事前申し込み不要、入場無料
「瀬戸はないっぱい」1964年 油彩 45.5×38.0cm 瀬戸信用金庫蔵
「陶工たち」 1959年 油彩 162.1×130.3cm 瀬戸信用金庫蔵
「バッタ」 1970年 油彩 31.8×41.0cm 瀬戸信用金庫蔵
「兄と妹」 1978年 油彩 60.6×50.0cm 瀬戸信用金庫蔵
瀬戸市美術館 TEL:(0561)84-1093