このたび、愛知県陶磁美術館・瀬戸市新世紀工芸館では共催事業として企画展「若手作家紹介事業02　やきもの現代考－混融 Mixed Melting－」を開催致します。

「やきもの」という言葉は陶磁製品を指すのが一般的ですが、窯業という観点で見れば「窯を用いて焼いたもの」という意味合いとなり、その範疇は陶磁にとどまらず、ガラスや七宝なども含まれます。陶磁・ガラス・七宝はいずれも素材に根ざす独自の表現領域として確立していますが、近年ではそれぞれの領域を横断する新たな表現も試みられています。陶磁・ガラス・七宝には大まかに言えば原料の組成比の差異があり、各々特有の魅力を生み出している一方で、その差異が溶けて交わる中間領域も存在するからこそ、新たな表現として様々な可能性を秘めているのです。

シリーズ２回目(※1)となる本展では、素材の混融という視点から、陶芸・ガラス・七宝の若手作家に焦点を当て、「やきもの」という言葉が含みうる表現の射程を再考します。


※1　第１回目は、令和４年に「愛知県陶磁美術館（本館1階回廊、芝生広場）」にて開催