九谷赤絵の極致 宮本屋窯と飯田屋八郎右衛門の世界
九谷赤絵は、江戸時代前期の古九谷を経て、江戸後期に現在の石川県南部地域で興った再興九谷諸窯で発展しました。再興九谷諸窯では、九谷五彩(赤・黄・緑・紺青・紫) のうち、赤以外の絵具で器面全体を塗り込める「青手」と、赤も使った「色絵」に二分化します。色絵は、次第に赤を主体とした意匠が登場し、赤絵は九谷焼を代表する作風の一つになりました。
再興九谷窯のはじまりとなった金沢の春日山窯(1807~20頃) 以降、石川県の能美地方や小松地方でも深化した九谷赤絵は、現在の石川県加賀市に創業した宮本屋窯(1832~59) において大成します。宮本屋窯の赤絵は、黒みがかった赤(通称・血赤) で文様を細かく描き込んだ赤絵細描と、金彩とともに赤以外の上絵釉を用いたことを特徴としています。また、画題の一部に、中国・明時代の墨の文様集『方氏墨譜』から着想を得たことで独自性を発揮しました。宮本屋窯の主画工・飯田屋八郎右衛門(1801~48) は細密描写に優れた手腕を発揮し、宮本屋窯は別名「飯田屋窯」とも呼ばれています。
瀬戸市美術館で九谷焼をメインとして取り上げるのは、本展が初めてであり、宮本屋窯の作品が一堂に会するまたとない機会です。細密描写を実現した高い技術力や独自の意匠性による豊かな表現世界をお楽しみください。
※12月10日(火)、12月28日(土)~1月4日(土)、1月14日(火)、2月12日(水)は休館
※()内は20名以上の団体の場合
※中学生以下、65歳以上、妊婦、障害者手帳(ミライロID可)をお持ちの方は無料
日時:2024年12月7日(土)①午前10時~10時30分 ②午前11時~11時30分
講師:聖窯 山本芳岳氏
場所:瀬戸市美術館ロビー
事前申し込み不要、参加無料(要入館料)
日時:2024年12月7日(土)午後2時~4時
講師:聖窯 山本芳岳氏
場所:瀬戸市文化センター文化交流館22会議室
定員:20名
料金:1,000円
※要電話申し込み:0561-84-1093(先着順・定員に達し次第受付終了)
作品は焼成後、後日お渡しいたします
学芸員によるギャラリートークを行います
日時:2024年12月15日(日)午後1時30分~
2025年1月11日(土)午前10時~
場所:瀬戸市美術館展示室内
事前申し込み不要、参加無料(要入館料)
所在地:愛知県瀬戸市西茨町113-3 瀬戸市文化センター内
電話:0561-84-1093