土を手にとるとき、陶土に触れるとき、わたしが抱く思いは、いかに美しいもの、いかに美的で優れたものを創造しようかということではなく、わたしの周囲で起きている世界のあらゆる事象にまるわる自らの考えや感情を、苦しみや喜びも含めて、可能なかぎりありのままに表現したいということだ。私の心は痛む。産業の世紀たる21世紀がはらむ不可思議や危うさに。わたしは戦慄を感じる。嵐に、飛行機に、シューシューと音をたてるガスに、原子力発電所や無線アンテナのいつ果てるともない雑音に。―平安を求めて、可憐なミモザのように、わたしは詩歌と理想の力を信じる。―はるか彼方の山々の潤いでわたしは涙に濡れた面をぬぐう。
マーリア・ゲスレル・ガルツリー
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