シンポジウムは3部構成で進行し、
第1部では、マルチメディア伝承工芸館−瀬戸染付研修所−スタッフより、開所から1年半を経過した瀬戸染付研修所の活動報告があり、研修所建設までのいきさつや研修生の制作活動の紹介がありました。
第2部では、瀬戸市文化センター学芸員により、実際に江戸期・明治期の瀬戸染付の作品を会場に持ち込んで名品解説を行い、普段はガラス越しでしか見ることのできない作品を間近で見る機会を提供しました。
第3部は講師5人によるパネルディスカッションを行いました。
進行役は愛知県立芸術大学教授の加藤伸也氏が務められ、加藤氏による瀬戸染付の概説とテーマ提示の後、瀬戸市文化センター学芸員の服部文孝氏による江戸期・明治期の瀬戸染付についての基調報告、続いて合名会社丸石製土工場社長の加藤昭博氏による有田焼・瀬戸焼の原料についての基調報告、日本地質学会会員・呉須研究家の野村隆光氏による瀬戸市、矢田川累層の呉須とマンガン鉱についての基調報告、最後に愛知県立芸術大学助教授の太田公典氏による「高さ1.8mの染付大花瓶」試作作品(1.3m)についての基調報告がなされました。
基調報告の後、「瀬戸の呉須について」をテーマとした意見交換を行いました。
会場には、約120名の参加者が詰めかけ、講師の話に熱心に耳を傾けていました。
また、愛知県立芸術大学美術学部陶磁専攻制作の染付大花瓶や瀬戸染付研修所研修生の作品を会場内に展示し、休憩時間には第2部で紹介した名品も展示し、参加者の目を楽しませました。
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