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アーカイヴ 2007-2008 >> PartU レネ・ライヒェンバッハ

レネ・ライヒェンバッハ
滞在期間:平成20年1月9日〜2月27日
旧東ドイツのハレで陶芸を学んだ。繊細かつ知的な作風は、陶土の持つ味わいを求める彼女自身の制作姿勢に重なる。用途を逸脱した箱やティーポットのほか、近年は魚や舟を主題に制作している。
▽画像をクリックすると瀬戸で制作した他の作品をご覧頂けます▽
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舟T
経歴
1956年
イエナ(旧東ドイツ)に生まれる
1975年〜
1980年
ドイツ・ハレ市のキービッヒェンシュタイン城工業デザイン大学で陶芸を学ぶ
1982年 ハレに工房を構える
1997年〜
1999年
ヘーエル・グレンツハウゼン陶芸研究所ほかで講師
1999年より IAC会員
2006年より 陶芸家団体「グルッペ83」会員
展覧会歴
1987年
「ザクセン・アンハルト州ビターフェルト美術賞」受賞
2000年 「ドイツ陶芸の100年」出展(東京国立近代美術館、愛知県陶磁資料館等巡回)
2002年
2003年
「鶯歌陶磁フェスティバル」(台北)
このほか国内外で個展、展覧会に出展多数。ドイツ、チェコの美術館やコレクションに作品が収蔵されている。
作者のことば
初めての日本

 ヨーロッパに大きな影響を与えた素晴らしい文化に触れてみたいと願い、日本を訪れました。日本の陶磁器や陶芸家に日本の地で出会うことに強く心を引かれており、これまでとは異なる、魅力的で刺激のある作業環境や生活環境に身を置くことで、私の作品作りに新たな創造性が生まれるのではないかという期待もありました。

  数年前から魚や船などの形を連想させる作品を作っています。抽象的な流線形とさまざま要素が有機的に結びつくことに対する私の根源的な興味を反映しています。
船のモチーフは私の作品と切り離すことができません。私の国の言葉では、「船」の語源は「器」または「皿」(陶芸から生まれた言葉)に由来します。常に私の発想の原点となる存在なのです。

 日本という国は絶えず私の思考を刺激してくれます。それは身近に見つけた様々な形を繋ぎ合わせる現在制作している作品にも似ています。
私の作陶スタイルは、基本的に色土や数種の陶土が混じりあった粘土の板を使用します。
変形の味わいを出すために、色土を部分的に用いて作品を作り始めます。素材の変形する特性に合わせ、作品を仕上げていくのです。こうすることで作品の表情に変化と躍動感を与え、長い時を経て私たちの回りにあるすべての物の記憶を内包する陶土とのつながりを生み出そうとしています。

  今回の短い滞在の中で、これぞという素材を選び、その素材を生かした作陶方法にたどり着くのはたやすいことではありませんでしたが、多くの方々からご助力をいただきました。とりわけ、瀬戸市文化センターの職員の皆様、工房の若い陶芸家の皆様には厚く御礼申し上げます。私が問題にぶつかるたびに、根気よく力を貸してくださいました。

  初めて日本の習慣や風習に触れ、瀬戸市とその周りの風景に心躍らせながら、実に多くの経験をさせていただきました。瀬戸市や近郊の町での仲間や友人との暖かく楽しい出会いは、私の心を和ませ、日本で私はもう見知らぬ人間ではないのだと何度も感じました。

  滞在中、私は日記をつけていました。
この日記はやがて、この数週間に感じた戸惑いを自分なりに整理する一助になってくれるでしょう。素晴らしい異文化体験を真に自分のものにする日が来るはずです。
大変楽しい時を過ごさせていただきました。瀬戸市に滞在する機会を与えてくださったすべての方々に感謝いたします。


レネ・ライヒェンバッハ





Information お問い合わせ
【事務局】(公財)瀬戸市文化振興財団(瀬戸市文化センター内)
〒489-0884 瀬戸市西茨町113−3
TEL:0561-84-1093 FAX:0561-85-0415 
E-mail: seto.artistinresidence@gmail.com
http://www.seto-cul.jp/

【工房】瀬戸市新世紀工芸館
〒489-0815 瀬戸市南仲之切町81−2
TEL:0561-97-1001 FAX:0561-97-1005 
E-mail: sinseiki@gctv.ne.jp
http://seto-cul.jp/new-century/