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発掘調査

夕日4号窯跡の発掘調査

 夕日4号窯跡の発掘調査は、陶祖公園内窯跡史跡整備発掘調査事業に伴い、窯跡の位置と残存状況の確認を目的として平成26年9月16日から11月19日までの期間実施しました。調査面積は、130㎡です。
 陶祖公園は、瀬戸市藤四郎町地内(旧瀬戸村)の通称藤四郎山にあります。江戸時代の瀬戸村では、「嶋」と呼ばれる地区に分かれて窯業生産を展開しており、瀬戸川以南の東側から洞嶋、郷嶋、南嶋が、瀬戸川以北には北嶋と宮脇嶋がそれぞれ存在します。陶祖公園内には、江戸時代の窯跡が3か所で確認され、宮脇嶋の領域に帰属すると考えられます。
 発掘調査の結果、窯体と付属施設の一部を検出し、窯体は連房式登窯と呼ばれる構造で、床面と狭間、壁面などを確認しました。各房は、上から7段目まで検出することができ、残存長は11mを測ります。両側壁は、1段目の右側と3段目の左側付近で認められ、両所見から窯体の幅は5.9mと算出しました。右側壁は、幅30㎝を測り、右側に開口した出し入れ口へと続いています。壁は、匣鉢を芯材として粘土を貼り付けることにより構築され、その表面は赤黄色に焼き締まっています。各房は、狭間により区切られ、平坦な床面が40~50㎝の段差をもって階段状に展開します。狭間柱は、一辺20㎝の立方体のクレを積み重ねて構築し、一房に付き12か所まで確認できます。また、狭間孔は粘土を貼り付けることにより、縦狭間構造に仕上げられています。各床面は、狭間柱の部分を除くと奥行1.2~1.4mを測り、その中央には狭間柱と同じ素材の天井支柱が約60㎝の間隔で横一列に7本存在したと考えられます。床面は赤色系の砂が敷き詰められ、焼き締まった状態ではなかったことが分かりました。付属施設は、窯体右側の平坦面と土坑があります。平坦面は、調査区の北側から南側へ向け3段まで確認でき、3段目は土坑状を呈しています。1段目と2段目は物原層を整地して構築され、2段目には半円形と隅丸方形の土坑が付属しています。3段目の土坑は、調査区外へ拡がるため全体は不明ですが、地山を掘り込んで構築され、中からは焼成不良の製品や窯道具類が多量に出土しました。
 今回検出した窯体は、江戸時代後期を主体に操業した連房式登窯です。推定される規模からすれば、今回の調査で検出した範囲は、窯体の後半部付近に相当すると考えられます。窯体の西側は、公園造成による攪乱が広範囲に及んでおり、付属する施設(遺構)が残存している可能性は低いと判断されます。その一方で、窯体の東側付近は、出し入れ口など作業場に相当する平坦面や土坑などが確認でき、恐らく広範囲に遺構が残存するものと推定できます。窯体は、全体を概観すれば決して良好な残存状況とは言えませんが、一部には狭間柱や狭間孔などの構造をはじめとする各部位を細部にわたり観察することができ、江戸時代後期の瀬戸窯で広く採用された連房式登窯の構造を検証する上で貴重な資料を提示できたとことになります。

4区北壁土層断面(南から)
夕日4号窯跡 窯体全景 南から

一次窯2室外壁検出状況(南から)
狭間検出状況

夕日5号窯跡806 最下面完掘状況(北から)
窯体右側 平坦面検出状況 南から